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省エネ 家づくり

2023.6.19

戸建住宅における地中熱利用の仕組みとは?メリット・デメリットや補助金について解説

地中熱利用とは?メリット・デメリットについて

 

最近、建物の省エネ設備として注目されているのが「地中熱利用システム」です。

なんとなくのイメージが湧く方も多いかもしれませんが、詳細はまだまだ知られていません。

そこで、今回は「地中熱利用」の仕組みやメリット・デメリット、住宅における活用方法を“省エネ住宅のプロ”が解説します。

これからマイホーム建設を検討する方は、ぜひ参考にしてください。

 

 

コラムのポイント

■地中熱利用は、環境面・コスト面でメリットが期待できます。
■導入コストが高いため、補助金利用や住み始めてから削減される光熱費などを総合的に見て検討しましょう。
■“R+house・国松工務店”は、「温度と空気のデザイン」をコンセプトに、省エネ性の高い快適な家づくりをご提案いたします。

 

 

 

地中熱利用の仕組みとは?メリットは?

地中熱利用のメリット・デメリット

 

地中の温度はある程度の深さに達すると外気温の影響を受けず、年間を通じて一定温度に保たれます。

そのため、夏は“冷房”、冬は“暖房”エネルギーとして活用できるのです。

 

地中熱と気温の関係

(引用:経済産業省 資源エネルギー庁

 

地中熱とは、浅い地盤中に存在する低温の熱エネルギーです。
大気の温度に対して、地中の温度は地下10~15mの深さになると、年間を通して温度の変化が見られなくなります。そのため、夏場は外気温度よりも地中温度が低く、冬場は外気温度よりも地中温度が高いことから、この温度差を利用して効率的な冷暖房等を行います。

 

地中熱利用の仕組み

 

(引用:経済産業省 資源エネルギー庁

 

「再生可能エネルギー」としても注目されており、大規模な公共施設からマンション、戸建住宅まで様々な建物へ導入実績が増えています。

普及が進んている理由は、メリットがいくつもあるからです。

では、それぞれ詳しく見てみましょう。

その①省エネ効果が高い

地中熱を利用する空調機器を導入すると、冷暖房時の効率が上がって省エネ効果が高まります。

地中熱利用の場合はパイプ内の水温を調節するため、外気温と地中温度が同じ場合でも空気より水の方が熱容量が大きいため、従来の空気熱源ヒートポンプ以上の空調効率が期待できます。

また、灯油や都市ガス等の燃焼エネルギーを熱源とする暖房や給湯においても、小さな電気エネルギーで生活を維持できるのです。

 

 

 

その②環境負荷が少ない

省エネ性が高いということは、地球環境負荷が少ないことを意味します。

石油やガスをエネルギー源とする買電力を空調や給湯へ活用する場合と比較すると、地中熱利用ヒートポンプは少ない電力で稼働できるため、CO2排出量抑制などへつながります。

 

CO2オフセット・クレジッ トの価格を 1,500 円/t-CO2 とした場合、空気熱源ヒートポンプに対しては約 2.0 万円/年、ガスヒートポンプに対しては約 3.8 万円/年に相当します。

※国内における CO2オフセット・クレジットは相対取引であり、2015 年 2 月現在は概ね 1,500 円~2,000 円程度で取引され ています。

地中熱の環境面でのメリット

(引用:経済産業省 資源エネルギー庁

 

 

注目すべき点はCO2排出量削減だけではありません。

地中熱利用のヒートポンプは外部へ排熱するための室外機を設置する必要ありません。

そのため、住宅密集地や都市部においては、ヒートアイランド現象の影響を緩和できます。

 

ヒートアイランド(heat island=熱の島)現象とは、都市の気温が周囲よりも高くなる現象のことです。気温の分布図を描くと、高温域が都市を中心に島のような形状に分布することから、このように呼ばれるようになりました。ヒートアイランド現象は「都市がなかったと仮定した場合に観測されるであろう気温に比べ、都市の気温が高い状態」と言うこともできます。

(中略)

都市化の進展に伴って、ヒートアイランド現象は顕著になりつつあり、熱中症等の健康への被害や、感染症を媒介する蚊の越冬といった生態系の変化が懸念されています。

ヒートアイランド現象の原因

(引用:気象庁

 

オフィスビル街においては、夏場に全てのビルが地中熱利用ヒートポンプに置き換えた場合は 最高気温で 1.2℃程度下がり、住宅街でも0.3℃程度気温が下がることが期待できるという試算があるほどです。(参考:資源エネルギー庁|地中熱利用にあたってのガイドライン

 

 

その③光熱費削減につながる

空調や給湯時の使用電力を減らせるということは、光熱費が削減されるということです。

資源エネルギー庁の試算によると、寒冷地の戸建住宅においては、冷暖房・給湯のランニングコストが30~50%減、 初期費用と20年間のランニングコストを併せても、10%程度のコスト削減が期待できます。

寒冷地以外の温暖な地域であっても、戸建住宅へ地中熱利用システムを導入すると、15年間の空調トータルコストは一般的な空気熱源ヒートポンプと同じ程度かそれ以下に抑えられる可能性は決して低くありません。(※導入時に公的な補助金を活用した場合)

 

温暖地による省コスト効果

(引用:経済産業省 資源エネルギー庁

 

 

 

 

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住宅ではどのように活用される?空調への利用方法は?

地中熱利用のメリット

 

大規模建築物への導入も進んている地中熱利用システムですが、戸建住宅へはどのように活用されているのでしょうか?

主な活用方法は、「冷暖房空調と給湯」。

地中熱利用ヒートポンプ設備と地中の熱移動方法によって、いくつかの方式に分かれ、それぞれ特徴が異なります。

 

 

ヒートポンプ方式

地中熱利用(ヒートポンプ)

(引用:地中熱利用促進協会

 

住宅やビル等の冷暖房・給湯設備として活用される方式です。

熱のやり取り方法によって、クローズドループ方式とオープンループ方式に分類されます。

 

クローズドループ

クローズドループ方式は地中の深度100m程度から熱交換器まで不凍液や水で満たされたパイプを配置して、ヒートポンプで熱交換する方式で、冷暖房と給湯へ活用できます。

メンテナンスがほとんど必要なく、設備機器の設置位置が限定されないため、住宅だけではなく、大きな建築物やプール、融雪装置としての活用例も多いです。

 

オープンループ

井戸などから引き揚げた地下水をヒートポンプへ運んで熱交換する方式です。

クローズドループと比べ、地表に開けた孔(ボアホール)一箇所からでも採熱できるため、初期コストを抑えられます。

ただし、井戸が詰まったり水が枯れてしまえば機能しませんし、水質が汚染されると機器故障をもたらす可能性がある点は否めません。

そのため、こまめなメンテナンスをする必要があります。

井戸設備が必要となるため、一般住宅へ採用されるケースはごく稀です。

 

 

 

空気循環方式

地中熱・空気循環

(引用:地中熱利用促進協会

 

こちらは、住宅やビル等の室内保温や寒気のために用いられます。

外気を地中に埋めたパイプへ通して、地中温によって調節し、夏には冷風、冬には温風を室内へ送り込めるのです。

ヒートポンプ方式と比べると設備費用が安価なので、戸建住宅にも採用しやすいと言えるでしょう。

 

 

熱伝導方式

地中熱・熱伝導

(引用:地中熱利用促進協会

 

地中熱を直接住宅へ伝える方式で、空調の補助的システムとして活用されます。

夏には地中の冷気、冬には地中の暖気が伝わってくるため、空調負荷を減らせるということです。

 

 

 

ポイント

私たち“R+house・国松工務店”の住まいは、地中熱利用全熱交換器型循環システム(ヒートポンプ方式)とエアーサイクル(冬には太陽熱を使って建物と空気循環層の空気を暖め、夏には空気循環層の熱気を排出して風と外気を取り込むシステム)を標準装備。

自然エネルギーを活用して快適な室内温度を保てます。

 

 

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地中熱利用を取り入れる際に知っておきたいデメリットや注意点は?

地中熱利用のデメリット

 

地中熱利用システムは、環境面で大きなメリットがあり、省エネ住宅を中心に導入の普及は進んでいます。

しかし、導入を決める前に知っておくべきデメリットや注意点も。

これから紹介しますポイントを理解した上で、ご自宅への採用を検討してください。

 

 

その① 導入コストが高い

地中熱利用システムの最も大きな欠点が、その導入コストです。

一般的な30〜40坪程度の住宅へ、地中熱ヒートポンプシステムを導入すると、施工費と材料費を併せて最低でも300〜500万円程度かかります。

この問題が地中熱利用の普及率に影響していることは間違いないでしょう。

そこで進んでいるのが、低コスト化技術の開発です。(参考:国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構

また、国などの公的機関による補助事業も取り組まれています。

導入コストだけでなく、住み始めてからの光熱費削減も併せて検討することが重要です。

 

 

 

その② 設計時に考慮しなくてはいけないポイントが多い

地中熱利用ヒートポンプを採用する住宅を設計する際に、以下の条件を考慮しなくてはいけません。

 

気候条件

冷暖房の使用期間や設定温度、気温や日射量など室温に影響を与える要素についてある程度把握する必要があります。

 

地中条件

どのような方式が採用できるのかを知るために、知識や地中温度、地下水の有無や水質、地下水位を調査します。

オープンループですと地下水を揚げる必要がありますし、クローズループですと地下水に影響しない場所にパイプを埋めなくてないけません。

どの深さにどの程度の地下水があるのかが分からなければ、正確なシステム設計が難しいのです。

また、オープンループの場合は、地下水の有無や水位だけではなく、法令によって地下水揚水規制がないかなどのチェックも必須となります。

 

住む人のライフスタイル

果たして地中熱を利用することで本当に省エネになるのかをシミュレーションすることをおすすめします。

なぜなら、ほとんどエアコンなどを使わない生活を送る人が地中熱利用システムを採用しても、あまりメリットを実感できないからです。

 

 

 

その③ 住宅の断熱性・気密性が高くなければ省エネ性が期待できない

いくら空調にかかわるエネルギー量を減らせても、家の断熱性・気密性が低ければせっかく調節された快適な室温がキープできません。

つまり、地中熱を利用する大前提として、高気密・高断熱住宅である必要があるということです。

既存住宅へ導入する際も、まず断熱リノベーションを先行して行うことをおすすめします。

 

 

 

その④ 定期点検が欠かせない

地中熱利用のメリットを継続させるためには、熱交換効率を低下させないことが重要です。

そのため、以下の点に関して定期点検が欠かせません。

 

地下水(井戸水)の揚水量と地下水位

設計時に想定した揚水量を超えていないかを確認します。

想定以上の多量な水を引き揚げていると、周辺へ悪影響を及ぼしかねません。

 

 ・放流熱量

設計時に想定した放流熱量(放流温度)とあまり差がないことを確認します。

放流熱量が多いと、何かしらのシステムトラブルがある、もしくは熱交換効率が下がっている可能性があるのです。

 

設備の稼働状況

揚水ポンプやヒートポンプ設備に不具合があると、空調されなかったりお湯が使えなくなったりします。

稼働が止まってしまわなくても、エネルギー効率が下がるため、せっかくのメリットを活かせず、導入コストをなかなか回収できません。

住宅用システムの場合、定期点検は法律で義務化されていませんが、オープンループ方式ですと、井戸のメンテナンスや水質チェックをする必要があります。

また、どの方式においても熱源機や循環ポンプなどの保守点検が必要です。

 

 

ポイント

私たち“R+house・国松工務店”は省エネ住宅建設件数が豊富なので、住み始めてからのメンテナンス計画についてもご提案できます。

高気密・高断熱住宅や太陽光発電に関する実績も豊富ですので、省エネ住宅の建設に迷っている方は、ぜひお気軽にご相談ください。

 

 

 

 

 

 

新築住宅における地中熱利用に関連する補助金・助成金は?

地中熱利用に関する補助金

 

「地中熱利用システムを採用したいけどイニシャルコストが気になる」そうお考えの方も多いはず。

実際に、地中熱利用の普及が一気に広がらない理由は、高い導入コストにあるとされています。

そこで、国・自治体では補助金・助成金の制度を実施しています。

これらを活用し、できるだけコストを抑えて省エネ性の高い住宅を建てましょう。

2023年6月時点で募集を継続している補助事業は「【環境省戸建ZEH】令和5年度 戸建住宅ZEH化等支援事業」です。

ZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)もしくはZEH+(ZEHよりさらに省エネ性が高い住宅)の条件を満たす住宅に対して、一棟あたり定額55万円(ZEH)か100万円(ZEH+)が支給されます。

地中熱利用システムの導入だけではなく、高い断熱性などの要件もクリアしなくてはいけません。

そのほかにも、市区町村単位で補助事業を設けている可能性がありますので、家を建てるエリアの役所などに問い合わせてみましょう。

地中熱利用システムに欠かせない高断熱工事に対する補助金も多いため、それらの情報もチェックしておくことをおすすめします。

例えば、愛知県では住宅用地球温暖化対策設備(太陽光発電施設、家庭用エネルギー管理システム(HEMS)、燃料電池、蓄電池、電気自動車等充給電設備、太陽熱利用システム、高性能外皮等、断熱窓改修工事)を導入する際に、その経費の一部を市町村が負担する制度が実施されています。(参考:愛知県住宅用地球温暖化対策設備導入促進費補助金

 

 

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ポイント

地中熱利用をはじめとした省エネ設備の導入には、様々な補助金を活用できる可能性があるため、補助金申請に関する知識の豊富な会社へ相談することもポイントです。

私たち“R+house・国松工務店”では、【環境省戸建ZEH】令和5年度 戸建住宅ZEH化等支援事業などの補助金利用もしっかりサポート。

少しでもコスパ良く高品質・高性能な家を建てたい方は、ぜひご相談ください。

 

 

 

愛知で“快適でおしゃれな”住宅を建てたい方はR+houseへご相談を

 

“R+house・国松工務店”は、名古屋市を中心に、長年「温度と空気をデザインする」をコンセプトに掲げ、省エネにこだわった快適な住まいづくりを行なっています。

私たちが自信を持ってご提供するのは、ずばり“9つのVALUE”。

 

技術者集団

高層建築から土木工事まで、幅広い施工経験を持つベテラン技術者です。専門性と独自性を高め、高機能・高性能住宅をご提案していきます。

 

高耐震

私たちが手掛ける住宅はすべて認定長期優良住宅+耐震等級3標準仕様。一般的にはあまり考慮されない、重心・剛芯・バランスも重視しています。※耐震等級3相当・同等ではなく「適合証明書」を取得した認定住宅です。

 

粘断震工法(オプション)

高層ビルにも用いられている粘断性体を使用。住宅用制震工法により高耐震+超制震を実現します。大規模な地震発生時にも、地震エネルギーを約80%吸収、建物変形量を約1/2に軽減します。

 

超高気密

気密性を示すC値は、R+house標準の1(cm²/m²)以下を大きく上回る高気密を実現。全棟実測試験を行い、C値0.5(cm²/m²)以上の場合は、施工のやり直しを行っています。

 

エネパス住宅

最高峰の断熱材と太陽光発電システムは標準搭載(追加費用なし)。初期投資を抑え、日々の電気料金の軽減にも貢献します。

 

温度バリアフリー

地中熱利用全熱交換器型循環システム+エアーサイクルを標準装備。温度差のない住環境を実現することで、結露によるカビ・ダニの軽減、冬のヒートショックによる家庭内事故、冷え性・低体温症など、家の温熱環境が身体に与える影響に配慮しています。

 

高環境

床暖房を必要としない施工方法と空気の対流を考えた設計により、ストレスを軽減。大きな吹き抜けを設けることでさらに冷暖房効率が良くなり、エアコン1台で家じゅう高環境が得られます。

 

高濃度水素生活

家族で使用する全ての水に、自然の原理から生まれた最先端技術の「生命の水」を採用。酸化反応を抑制し活性酸素を減少。自然治癒力やデトックス効果を促進します。 高濃度の水素を体内に取り込むことで、悪玉活性酸素を体内から排出し免疫を高めます。健康寿命「健康促進+美+若さ」の追及に役立てていただけます。

 

抗アレルゲン住宅

私たちが扱う住宅はすべて抗アレルゲン仕様。PM2.5、ハウスダスト、花粉、粉塵、煤塵、黄砂、ダニなどを特殊なフィルターで取り除き空気を浄化。さらにイオン化することで、消臭・除菌やカビの撃退へ。家中クリーンな空気環境で、アレルギー軽減へとつなげます。

 

家の長寿命化だけではなく、家族の健康も守れる“R+house”の住宅。

高性能住宅の建設をご検討中の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

 

 

 

まとめ

地中熱利用システムは、太陽光発電と比べるとまだまだ認知度が低く、導入件数も少ないのが現状です。

しかし、日当たりなどの立地条件によって効果が左右されることがないため、地域を選ばず採用しやすいため、省エネ住宅を建てたい方はぜひ検討してください。

ただし、導入コストの高さや定期点検の手間などを知らずに採用してしまうと後悔の原因になりかねません。

メリット・デメリットの両方をしっかり理解しておくことが重要です。

地中熱利用システムの導入をしたい場合に大切なのが、知識と経験が豊富な会社へ相談することです。

“R+house 国松工務店”の住まいは、地中熱利用システムと太陽光発電システムを標準化しています。

今まで高気密高断熱住宅をはじめとした“長寿命で省エネな住宅”を数多く手がけてきたという実績がありますので、気になる疑問がある方もまずは私たちまでお問い合わせください。

 

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監修者情報

国松工務店【R+house 名古屋西・緑・東海】編集部

国松工務店【R+house 名古屋西・緑・東海】編集部

国松工務店【R+house 名古屋西・緑・東海】では、「家族の数だけ住まい方がある」という考えのもと、施主さんの趣味や価値観、生活スタイル、将来のライフブランまでをヒアリング。未来を見据えた理想の暮らしを提案するため、建築家が土地の環境を確認したうえで設計しています。
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