家づくりコラム

家づくり

2025.9.30

長期優良住宅とZEHの違いを一覧表で解説|性能・補助金・住宅ローン控除などの優遇制度を比較

長期優良住宅とZEHの違いを 一覧表で解説

長期優良住宅とZEHは、どちらも高性能で快適な住まいを実現できる住宅ですが、特徴や制度の違いは意外と分かりにくいものです。

そこで今回は「どちらが自分の家づくりに向いているか」を一目で理解できるよう、長期優良住宅とZEHの特徴や違いを分かりやすく解説します。

まずは一覧表でまず概要を確認してから、性能・補助金・優遇制度の詳細を比較できる内容になっていますので、ぜひ家づくりにお役立てください。

 

コラムのポイント

■ 長期優良住宅とは、長期間に渡って良好な状態で暮らせるように、耐震性・省エネ性・メンテナンス性など幅広い分野に対して基準が設けられた住宅です

■ ZEHとは、年間で消費する住宅のエネルギー消費量をおおむねゼロ以下にするために、断熱等性能等級やエネルギー消費量などに基準が設けられた住宅です。

お客様の考え方やライフスタイルを踏まえておすすめの住宅を提案してくれる、どちらの実績も豊富な住宅会社への相談をおすすめします。

 

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長期優良住宅とは

長期優良住宅とは

長期優良住宅とは、長期間に渡って良好な状態で暮らせるように対策された住宅のことを指します。

戸建て住宅では、次の8つの項目について対策することが条件です。

  • ・劣化対策
  • ・耐震性
  • ・省エネルギー性
  • ・維持管理の容易性
  • ・居住環境
  • ・住居面積
  • ・維持保全計画
  • ・災害配慮

長期優良住宅は、何か1つの分野に特化した住宅ではありません。

耐震性や省エネ性などの基本的な性能から、住宅の広さやメンテナンス性まで、総合的なバランスが求められる住宅です。

▷関連コラム:長期優良住宅の認定を受けるメリット・デメリットは?申請要件や流れについて解説

 

ZEHとは

ZEHとは

ZEHとは「省エネルギー」と「創エネルギー」を組み合わせ、年間で消費する住宅のエネルギー消費量がおおむねゼロ以下になる住宅のことです。

Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)の頭文字を取って、ZEH(ゼッチ)と呼ばれます。

ZEHは次の3つの考え方がベースとなっています。

  • ・高断熱な住宅で冷暖房などに使うエネルギーを極力必要としない
  • ・高性能設備によってエネルギーを効率良く使う
  • ・太陽光発電によってエネルギーを創り出す

長期優良住宅が住宅全体の性能を幅広く評価するのに対し、ZEHは家庭で使うエネルギー収支に焦点を当てているのが特徴です。

▷関連コラム:「子育てしやすい住まいづくり」間取り・材料選びに取り入れたい20のアイデア

 

一覧表でチェック|長期優良住宅とZEHの違い

長期優良住宅とZEHの比較表

まずは、長期優良住宅とZEHの違いを一覧表で確認しましょう。

各項目の詳細は後ほど解説します。

長期優良住宅 ZEH
目的 ・幅広い分野に対して基準を設けて、長期間良好な状態で暮らすことを目的とした住宅 ・エネルギー収支に特化し、暮らしの快適性や経済性を高めることを目的とした住宅
省エネ性能 ・断熱等性能等級5以上
・一次エネルギー消費量等級6
その他の性能 ・劣化対策等級3
・耐震等級2または3
・維持管理対策等級3
※様々な性能に関する条件あり
・省エネ性能以外の制限はなし
認定要件 ・戸建て住宅は、耐震性・省エネ性などの8つの項目に対する基準を満たすこと ・外皮の断熱性能を大幅に向上させ、高効率な住宅設備を導入し、年間の一次エネルギー消費量収支をゼロにすること
補助金 ・子育てグリーン住宅支援事業:80万円/戸 ・子育てグリーン住宅支援事業:40万円/戸
・給湯省エネ2025事業:6~16万円/台
・ZEH支援事業:55万円/戸
( ZEH+の場合は90万円/戸)
ランニングコスト ・光熱費を削減
・維持管理の容易性によってメンテナンス費を削減
・省エネによって光熱費を大幅に削減
・創エネによって売電できるケースも
住宅ローン控除の優遇 ・借入限度額4,500万円
(子育て世帯・若者夫婦世帯は5,000万円)
・借入限度額:3,500万円
(子育て世帯・若者夫婦世帯は4,500万円)
住宅ローン金利の優遇 ・フラット35Sを利用可
(当初5年間 年▲0.5%)
・フラット35Sを利用可
(当初5年間 年▲0.75%)
その他の優遇 ・固定資産税の軽減期間延長
・登録免許税・不動産取得税の軽減
・贈与税の非課税枠の増加
・地震保険料の割引
・贈与税の非課税枠の増加

それぞれの項目で違いがあるため、ご自身にとってメリットの多い住宅を選ぶことがポイントです。

補助金や税制度に関しては、年度によって内容が変更になる可能性もあります。

 

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【性能や要件】長期優良住宅とZEHの比較

長期優良住宅とZEHの性能の違い

長期優良住宅とZEHの性能や要件について比較しましょう。

共通しているのは省エネ性能に関する基準で、どちらも次の2つを満たすことが要件になっています。

  • ・断熱等性能等級5以上
  • ・一次エネルギー消費量等級6

▷関連コラム:断熱等級5の家は寒いのか|基準や等級6・7との違いについて分かりやすく解説

それぞれの要件について詳しく解説します。

 

長期優良住宅の要件

戸建ての長期優良住宅を建てる場合、8つの要件を満たす必要があります。

性能項目 要件
①劣化対策 ・劣化対策等級(構造躯体等)等級3かつ構造の種類に応じた基準
②耐震性 ・耐震等級(倒壊等防止)等級2または等級3
③省エネルギー性 ・断熱等性能等級5かつ一次エネルギー消費量等級6
④維持管理の容易性 ・維持管理対策等級(専用配管)等級3
⑤居住環境 ・地区計画等の条例によるまちなみ等の計画
・建築協定等の区域内の場合はこれらの内容と調和を図る
⑥住戸面積 ・75㎡以上
(1階が40㎡以上)
⑦維持保全計画 ・構造耐力主要な部分、雨水の侵入を防止する部分、給水・排水設備において、定期的なメンテナンス計画を策定
⑧災害配慮 ・災害発生リスクのある地域では、リスクの高さに講じて所管行政庁が定めた措置をとる

参考:住宅:長期優良住宅のページ|国土交通省

長期優良住宅の要件を満たすことで、安心して快適に住み続けられることに加え、メンテナンスのしやすさや計画性も考えられた建物を建てることが可能です。

▷関連コラム:長期優良住宅の「耐震等級3」を分かりやすく解説|地震保険などの優遇についても

 

ZEHの要件

ZEHには次のような要件があります。

・・断熱等性能等級5以上(5地域の場合はUA値0.60以下)
・・一次エネルギー消費量削減率20%以上(省エネのみ)
・・一次エネルギー消費量削減率100%以上(再エネ等含む)
・・再生可能エネルギーを導入すること(容量は問わない)

参考:ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)に関する情報公開について – 省エネ住宅 | 省エネポータルサイト

こちらはベースとなる『ZEH』の要件であり、他にも一次エネルギー消費量削減率の基準を下げた「Nearly ZEH」や、『ZEH』よりも高水準の『ZEH+』などもあります。

ZEHの建築は、住まいの快適性を高めることはもちろん、光熱費を抑えた経済的な暮らしにもつながります。

 

建物全体の性能を高める長期優良住宅、住宅のエネルギー消費量に特化したZEHは、要件などに大きな違いがあります。

住宅会社ごとに標準仕様に違いがあるため、採用する際にはどのくらいの追加費用がかかるか事前に確認しておくと安心です。

 

【補助金】長期優良住宅とZEHの比較

長期優良住宅とZEHの補助金の違い

長期優良住宅とZEHの補助金について比較します。

どちらの住宅も共通しているのは「子育てグリーン住宅支援事業」の補助金を受け取れる可能性がある点です。

ただし、補助額に次のような違いがあります。

  • ・長期優良住宅:80万円/戸
  • ・ZEH:40万円/戸

それぞれ追加の要件があり、該当する場合は補助額が上乗せされます。

長期優良住宅では、高効率給湯器の採用などによって他の補助金の対象にもなりますが、基準となる条件だけを満たしただけでは「子育てグリーン住宅支援事業」以外の補助金制度に該当しません。

 

対して、ZEHは次のような補助金の対象になります。

ZEHの補助金

・・給湯省エネ2025事業:6~16万円/台
・・ZEH支援事業:55万円/戸
( ZEH+の場合は90万円/戸)

ただし、それぞれの補助金は併用できないため、長期優良住宅とZEHのどちらが得になるかは一概には言えません。

いずれの補助金も予算や申請時期に限りがありますので、しっかりと情報を収集した上で、準備を進めましょう。

 

【税などの優遇】長期優良住宅とZEHの比較

長期優良住宅とZEHの優遇制度の違い

長期優良住宅とZEHの優遇制度についてご紹介します。

どちらも該当するのは、住宅ローン控除の限度額とフラット35の金利、そして贈与税に関する優遇です。

住宅ローン控除に関する優遇

住宅ローン控除は、住宅ローン残高の0.7%を13年間所得税から控除する制度です。

長期優良住宅とZEHに対して、次のような優遇があります。

  • ・長期優良住宅:借入限度額4,500万円(子育て世帯・若者夫婦世帯は5,000万円)
  • ・ZEH:借入限度額:3,500万円(子育て世帯・若者夫婦世帯は4,500万円)

参考:報道発表資料:令和7年度税制改正における住宅関係税制のご案内|国土交通省

ローン残高に応じて控除額が変わるため、借入限度額が上がることで得する方もいます。

 

フラット35に関する優遇

長期優良住宅やZEHなどの質の高い住宅は、フラット35の金利が引き下げられます。

  • ・長期優良住宅:当初5年間 年▲0.5%
  • ・ZEH:当初5年間 年▲0.75%

参考:【フラット35】S|【フラット35】

3,000万円を35年、金利1.8%で借り入れた場合、長期優良住宅とZEHでは総返済額に約40万円の差が生じます。

さらに、長期優良住宅とZEHの併用住宅は、当初5年間は年▲1.0%の引き下げ幅になるため、より返済額の負担を軽減することが可能です。

 

贈与税に関する優遇

断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上の住宅は、贈与税の非課税限度額が1,000万円になる優遇制度です。

上記の性能は、長期優良住宅とZEHどちらも必須な要件のため、贈与税の優遇制度も適用になります。

 

ZEHに関しては、その他の優遇はありませんが、長期優良住宅に関しては次のような優遇制度も適用になります。

長期優良住宅の優遇制度

長期優良住宅の認定によって受けられる優遇制度をご紹介します。

固定資産税 減額措置の適用期間の延長
3年→5年へ延長
不動産取得税 課税標準からの控除額
1200万円→1300万円へ引き上げ
登録免許税 ・所有権保存登記:0.15%→0.1%へ引き下げ
・所有権移転登記:0.3%→0.2%へ引き下げ
地震保険 耐震等級に応じて保険料割引
・等級3:50%割引
・等級2:30%割引

参考:住宅:認定長期優良住宅に関する特例措置|国土交通省

 

優遇制度に関しては長期優良住宅の方が手厚いことが分かります。

 

長期優良住宅とZEHは併用できるのか

長期優良住宅とZEH併用

両方の要件を満たした住宅を建築すれば、長期優良住宅とZEHの併用は可能です。

より安全性・快適性・省エネ性能を兼ね備えた高品質な住宅が実現できます。

ただし、同一の建物に対して補助金は併用できない場合があるため、どの制度を利用するかを事前に見極めることが大切です。

 

長期優良住宅とZEHどちらを選ぶべきか

長期優良住宅とZEHどっち

長期優良住宅とZEHは異なるメリットがあるため、優劣をつけることはできません。

ご自身の家づくりに合う方の住宅を選ぶことが大切です。

長期優良住宅がおすすめな方
  • ・バランスの良い住宅を建てたい
  • ・長く安心して暮らせる住まいにしたい
  • ・メンテナンス費用を抑えたい
  • ・将来的な売却を視野に入れている

各性能に要件が定められている長期優良住宅は、一定水準以上の安全性・快適性・経済性をバランスよく確保した家を建てたい方におすすめです。

また、将来的な資産価値も維持しやすい点が長期優良住宅の魅力です。

 

ZEHがおすすめな方
  • ・光熱費を抑えられる家にしたい
  • ・住まいの快適性を高めたい
  • ・災害時でも生活水準をキープできるようにしたい
  • ・補助金を活用してお得に質の高い住宅を建てたい

省エネ性や快適性にこだわった家づくりをしたい方にはZEHがおすすめです。

蓄電池やV2Hを併用することで、よりお得で災害時の対応力もある住まいを建てることができます。

 

長期優良住宅やZEHを検討するときは、どちらの住宅にも対応できる設計力のある住宅会社に相談することが重要です。

また、ベースとなる住宅の質が高い住宅会社なら、長期優良住宅やZEHを採用した際の費用増加を抑えることもできます。

高性能住宅の実績が豊富な会社へ相談し、ご自身のライフスタイルや優先したいポイントに合う住まいを提案してもらいましょう。

 

まとめ

長期優良住宅とZEHはどちらも高性能な質の高い住宅ですが、要件や補助金、優遇制度などに違いがあります。

また、幅広い分野に対して一定水準以上の性能を保つ「長期優良住宅」と、エネルギー消費量に特化した「ZEH」は住まいに対する考え方が異なります。

そのため、ご自身の家づくりに対する優先順位やライフスタイルに合わせて、どちらの住宅がより適しているかを判断することが大切です。

 

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監修者情報

国松工務店【R+house 名古屋西・緑・東海】編集部

国松工務店【R+house 名古屋西・緑・東海】編集部

国松工務店【R+house 名古屋西・緑・東海】では、「家族の数だけ住まい方がある」という考えのもと、施主さんの趣味や価値観、生活スタイル、将来のライフブランまでをヒアリング。未来を見据えた理想の暮らしを提案するため、建築家が土地の環境を確認したうえで設計しています。
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