家づくりコラム

家づくり 省エネ

2023.2.24

長期優良住宅の認定を受けるメリット・デメリットは?申請要件や流れについて解説

寒くない・暑くない木造住宅

突然ですが、皆さんは「長期優良住宅」という言葉を聞いたことはありますか?

実は、この長期優良住宅の認定を受けると、メリットがたくさんあります。

しかし、制度の詳細を知らない方もいるでしょう。

そこで、今回は長期優良住宅の基礎知識から、認定の要件や流れについて詳しくお話しします。

これからマイホーム計画を始める方は、是非参考にしてください。

 

コラムのポイント

■長期優良住宅とは、“長く住み続けられる住まい”を実現させるための制度です。
■耐震性や省エネ性、更新性、周辺との調和など様々な要件を満たした住宅が認定を受けられます。
■“国松工務店”が建築家とタッグを組み、「温度と空気のデザイン」をコンセプトに、快適な家づくりをご提案いたします。

 

 

長期優良住宅とは?

耐震性能の高い家
長期優良住宅とは、2008(平成20年)12月に施行された「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に基づく制度で、制定翌年の2009(平成21)年6月から運用が開始されました。

制度の目的を、国土交通省は『長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅の建築・維持保全』としています。

開始当初は新築住宅のみが対象でしたが、2016(平成28)年4月からは、既存住宅の増改築、つまりリノベーションまで対象が拡大されました。

以下のような性能を持つ住宅が長期優良住宅として見なされます。

 

  • ・長期に使用するための構造及び設備を有していること
  • ・居住環境等への配慮を行っていること
  • ・一定面積以上の住戸面積を有していること
  • ・維持保全の期間、方法を定めていること
  • ・自然災害への配慮を行っていること

(引用:長期優良住宅 認定制度の概要について

 

上記のポイントを踏まえ、認定条件をクリアしているかどうかを行政が審査し、クリアした住宅のみが長期優良住宅としての認定を受けられるのです。

ひと昔前までは、日本住宅はスクラップ・アンド・ビルド、つまりある程度経てば建て替えることが当たり前のように繰り返し続けられてきましたが、環境負荷などの観点から、良い住宅を手入れし続けて長く住み続けることが重要視され始めてきました。

 

 

 

長期優良住宅の認定を受けるメリット・デメリット

工務店とハウスメーカーの違い

では、長期優良住宅として認定を受けると、どのようなメリットがあるのでしょうか?

また、逆にデメリットはあるのでしょうか?

それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

メリット

  • ・補助金の対象となる
  • ・一部住宅ローンが引き下げられる
  • ・税の特例控除を受けられる
  • ・地震保険料の割引を受けられる
  • ・生涯住宅コストを下げられる
  • ・環境問題解決に貢献できる

 

まず、長期優良住宅の認定を受けた住宅を始めとした省エネ住宅のみが対象の補助金が受けられます。

代表的なものは、地域型住宅グリーン化事業で、最大で一戸あたり140万円が支給されます。

そして、住宅ローンがお得になる点も忘れてはいけません。

フラット35など住宅金融支援機構が提供してるローン商品に対して、年利0.25〜0.5%が引き下げられるのです。

金銭面でのメリットはこれだけではなく、所得税(住宅ローン減税・投資型減税)や固定資産税の減税対象額が上乗せされたり、減税適用期間の延長が認められます。

さらに、認定に伴い高い耐震性・免震性を持つ住宅は、地震保険料が割引されるなど、様々な方面でのメリットがあるのです。

国はこれら制度を整えることで、長期優良住宅の普及を強く後押ししています。

その理由は、脱炭素化に向けた取り組みに拍車をかけるため。

住宅を建て替えれば大量の廃棄物が出てしまいますし、再建築には材料とエネルギーは欠かせません。

このように、40〜50年に一度マイホームを建て替えるとなると、地球環境へ負荷をかけてしまうだけではなく、生涯にかかる住宅コストが増えてしまうのです。

 

生涯にかかる住居費

(引用:国土交通省

 

このような観点から、「家の長寿命化=長期優良化」が推し進められています。

 

 

デメリット

  • ・建築コストが高い
  • ・認定までに時間がかかり入居が遅くなる
  • ・定期的な点検やメンテナンスが必須

 

一方、デメリットがない訳ではありません。

まず、認定条件をクリアするためには、高い品質と性能を持ち合わせる必要があり、使う材料も異なってきます。

そのため、どうしても建築コストは通常の住宅より割高です。

また、認定までの審査期間がかかるため、どうしてもその分入居が遅くなる点は否めません。

家の規模や構造、所在地などにもよりますが、認定を受けられるまでは早くて7日、遅いと60日以上かかる場合もあります。

そして、一度認定を受ければそれで終わりではなく、申請時に作成する維持保全計画書に基づききちんと点検やメンテナンスをしなくてはならず、それを怠ると最悪の場合認定が取り消されてしまう可能性もゼロではないのです。

ただし、ここで理解しておかなくてはいけないのが、これらのデメリットは全て“家を長持ちさせるためには必要である”ということ。

ネガティブには捉えずに、むしろマイホームを長寿命化するためには大切なことであると、ポジティブに捉えることが大切です。

 

 

 

 

認定の要件や流れは?

耐震住宅の基準

では、実際に長期優良化住宅の認定を受けるためには、どのような要件を満たし、どのような流れで手続きをすれば良いのでしょうか。

まず、要件は以下の通りです。

 

長期優良化住宅の主な要件(新築木造戸建住宅の場合)
  • ・床下や小屋裏への点検口取り付けなど劣化対策等級(構造躯体等)3かつ 構造の種類に応じた基準に則した“劣化対策”を講じている
  • ・免震建物もしくは耐震等級2(二階建て以下の場合は条件次第で等級3)以上の“耐震性”を持っている
  • ・断熱等性能等級5かつ一次エネルギー消費等級6以上の“省エネ性”を持っている
  • ・維持管理対策等級3以上の“維持管理・ 更新の容易性”を持っている
  • ・地区計画や景観計画、その他条例によるまちなみ等の計画、建築協定、景観協定等との調和を図るなど“居住環境への配慮”を行なっている
  • ・1階の床面積が 40 ㎡以上で、かつ住戸にあたる部分の床面積が75 ㎡以上である
  • ・住宅の構造耐力上主要な部分や雨水浸入を防止する部分 、給水又は排水のための設備に関しての維持保全計画がある
  • ・所管行政庁が定めた災害に対する措置を施している

 

つまり、高い耐震性・断熱性・省エネ性を持ち、長期間使用するためのメンテナンス性も持ち合わせ、さらに快適な住環境が整っていることが条件ということです。

では、申請はどのように進めていけば良いのでしょうか。

各ステップごとにポイントを紹介します。

 

【長期使用構造等であるかの確認申請】

まず、住宅のプランがまとまった後に、長期優良住宅の条件である耐震性・免震性・更新性を持つ構造であるかの確認申請を行います。

ここでいう長期使用構造等とは、以下のように定義づけられています。

 

一.当該住宅を長期にわたり良好な状態で使用するために次に掲げる事項に関し誘導すべき国土交通省令で定める基準に適合させるための措置

イ.前項第一号及び第二号に掲げる住宅の部分の構造の腐食、腐朽及び摩損の防止

ロ.前項第一号に掲げる住宅の部分の地震に対する安全性の確保

 

二.居住者の加齢による身体の機能の低下、居住者の世帯構成の異動その他の事由による住宅の利用の状況の変化に対応した構造及び設備の変更を容易にするための措置として国土交通省令で定めるもの

三.維持保全を容易にするための措置として国土交通省令で定めるもの

四.日常生活に身体の機能上の制限を受ける高齢者の利用上の利便性及び安全性、エネルギーの使用の効率性その他住宅の品質又は性能に関し誘導すべき国土交通省令で定める基準に適合させるための措置

(引用:国土交通省

 

申請書には以下の内容を記入します。

 

  • ・免震建築物もしくは耐震等級2・3のどれに該当するか
  • ・建物に関する基本情報(所在地・敷地面積・建築面積・構造種別・建物高さ・工期など)

 

また、建物の詳細を示す設計内容説明書も添付しなくてはいけません。

事前にこの確認をクリアできるかどうかを審査団体へ相談することもできますので、設計者は確実に認定が受けられるように万全の措置を取ります。

矢印

【認定申請】

長期使用構造等であることが公的に認められると、確認書が交付されます。

こちらを設計図書に添付して長期優良住宅の申請を行います。

申請は建築主(施主)でも行えますが、専門的な書類を取り扱わなくてはいけないため、住宅施工会社が代理申請をすることもできます。

矢印

【認定】

設計図書などを確認し、所管行政庁が申請を認定します。

ポイントは、認定を受けるまでは着工できないという点です。

認定申請前に工事を始めてしまうと認定されませんので、いくら早く入居したいからと言って着工を急いではいけません。

矢印

【着工〜完工・維持保全計画に沿った点検及び修繕】

無事に申請を受理された後に工事を始めます。

無事に完工して引き渡しを受けた後も終わりではなく、申請時に作成する維持保全計画通りに定期点検を行い、必要に応じて修繕しなくてはいけません。

 

長期優良住宅の維持保全計画

(引用:国土交通省

 

ただ点検や修繕を行うだけではいけない点がポイント!

必ず、調査結果や修繕履歴を記録書として残しておかなくてはいけません。

 

ポイント
私たち“R+house 国松工務店”は、名古屋市を中心に数多くの長期優良住宅を手がけてきました。
その経験やノウハウを活かして、あなたのマイホームづくりをお手伝いします。

 

 

 

まとめ

長期優良住宅は法に基づいた一制度に過ぎないと思う方も多く、補助金や税控除などのメリットが着目されがちですが、本来の目的は「長く住み続けられる住宅づくり」です。

高性能な住まいをお手入れしながら住み続ける。

これこそ、長期優良住宅の本質であり、最大のメリットと言えます。

認定を受けるためには、高い耐震性や省エネ性などいくつもの条件をクリアしなくてはいけません。

「どこに相談すればいいか分からない」という方は、ぜひ施工実績のある会社へ相談してください。

 

 

 

愛知で“省エネ住宅”をを建てたい方は国松工務店へご相談を

コンセプト

 

“国松工務店”は、名古屋市を中心に、長年「温度と空気をデザインする」をコンセプトに掲げ、省エネ性の高い住まいづくりを行なっています。

私たちの手がける住まいの特徴はずばり“3つのPASS”。

 

〈ENEPASS エネパス〉

温度を安定させる「ホールハウス断熱」と、空気を循環させる「地中熱利用型換気システム」を合わせて、家の中を快適な温度の空気で満たします。

 

 

〈SICKPASS シックパス〉

従来の壁面や天井からの排気ではなく、床面排気にすることで、ハウスダストの飛散を防ぎ、効率良く室内から取り除きます。

また、高性能フィルターを備えた地中熱利用換気システムを導入し、外気からのアレルギー物質を99%除去した清潔な空気環境と、快適な温度環境を両立。

健康的で居心地の良い住まいを実現できます。

 

 

〈YENPASS エンパス〉

高断熱性能に加えて「オール電化」を採用し、光熱費を節約できます。

大容量、高性能、長期寿命・保証のソーラー発電と蓄電池で、節約と合わせて売電利益を生むことも期待できるでしょう。

“使う電気<創る電気”を目指した住まいをご提供いたします。

 

※ソーラー関連設備は標準仕様には含まれません。

 

愛知県で省エネ住宅の建設をご検討中の方は、ぜひお気軽に“国松工務店”までご相談ください。

 

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名古屋市の国松工務店が主体となり、普通の注文住宅と同じような手順・予算で建築家との家づくりをサポートします。

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監修者情報

国松工務店【R+house 名古屋西・緑・東海】編集部

国松工務店【R+house 名古屋西・緑・東海】編集部

国松工務店【R+house 名古屋西・緑・東海】では、「家族の数だけ住まい方がある」という考えのもと、施主さんの趣味や価値観、生活スタイル、将来のライフブランまでをヒアリング。未来を見据えた理想の暮らしを提案するため、建築家が土地の環境を確認したうえで設計しています。
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