家づくりコラム

家づくり 省エネ

2023.3.3

“24時間換気システム”とは?寒い・うるさいなどの対策についても

24時間換気システムとは?

 

住宅を建てる際、みなさんは何から考え始めますか?

間取りやインテリアデザイン、気密性・断熱性など、みなさん重視するポイントは様々でしょう。

実は、これらのポイントと併せて重要なのが、「住宅の換気」です。

新築住宅へ設置が義務化されている24時間換気システムですが、その機能やメリットについてあまり知らないという方もいるかもしれません。

そこで、今回は“24時間換気システム”の基礎知識から気になる疑問について解説します。

これからマイホーム計画を始める方は、ぜひ参考にしてください。

 

コラムのポイント

■24時間換気システムは、全ての建築物へ設置が義務化されています。
■換気方式によって効率が異なり、高気密高断熱住宅には高性能なシステムを導入する必要があります。
■“国松工務店”が「温度と空気のデザイン」をコンセプトに、快適な家づくりをご提案いたします。

 

 

“24時間換気システム”とは?

24時間換気システムの基礎知識

24時間換気システムとは、機械換気もしくは自然換気によって、室内の空気を常に入れ替える仕組みです。

インターネットなどで調べると「不要」「いらない」などの言葉を見かけますが、2003年7月以降は、建築基準法に基づき、全ての建築物へ設置が義務付けられています。

義務化のきっかけは、住宅の気密性が高まったことによって「シックハウス症候群」発症の件数が増えたことにあり、換気量も基準以上でなくてはいけません。

ホルムアルデヒドを発散する建材を使用しない場合 でも、家具からの発散があるため、原則として全て の建築物に機械換気設備の設置が義務付けられ ます。例えば住宅の場合、換気回数0.5回/h以上 の機械換気設備(いわゆる24時間換気システムなど) の設置が必要となります。

※換気回数0.5回/hとは、1時間当たりに部屋の空気の半分  が入れ替わることをいいます。

引用元:国土交通省|シックハウス対策のための規制導入・改正建築基準法

 

法律で定められている以上、設置の可否を選択することはできませんが、どこまで機械でコントロールするかは選ぶことができます。

主な方式は4つです。

 

第一種換気 第二種換気 第三種換気 第四種換気
給気 機械(ファン) 機械(ファン) 自然換気 自然換気
排気 機械(ファン) 自然換気 機械(ファン) 自然換気
特徴 全室にダクトを設置するため、コストが高い 室内の汚れた空気を強制的に排出する場合に効果的 住宅で最も一般的な方式でコストも低いが、気密性を損ねる可能性がある 機械に頼らないためコストがかからないが、換気能力は低い
換気能力 高い 普通 普通 低い
使用される建築物 公共施設・住宅 病院・工場・住宅 住宅など 住宅など

 

換気方式の種類

(引用:Panasonic

 

24時間換気の義務化が決まる前までは、キッチンフードや浴室・トイレ換気扇などだけをつける第三種換気が主流でしたが、高気密高断熱住宅が増えたことで、自然の給排気には頼らずに、全て機械でコントロールする第一種換気を導入するケースが増えています。

なぜなら、第一種換気は外部の寒い・暑い空気をそのまま室内に入れずに、熱エネルギーを回収する仕組みが備わっているからです。

 

 

 

“24時時間換気”のメリットは?

24時間換気のメリット

「法律で義務化されているから仕方なくつける」そんな方も多いでしょう。

しかし、義務化されているのにはきちんとした理由があります。

では、それぞれ詳しく見てみましょう。

 

健康被害の防止

最も大きなメリットは、シックハウス症候群や化学物質過敏症をはじめとした健康被害を防止できる点です。

 

シックハウス症候群とは、近年、住宅の高気密化などが進むに従って、建材等から発生する化学物質などによる室内空気汚染等と、それによる健康影響が指摘され、「シックハウス症候群」と呼ばれています。その症状は、目がチカチカする、鼻水、のどの乾燥、吐き気、頭痛、湿疹など人によってさまざまです。

住宅の高気密化・高断熱化などが進み、化学物質による空気汚染が起こりやすくなっているほか、湿度が高いと細菌、カビ、ダニが繁殖しやすくなります。それだけではなく、一般的な石油ストーブやガスストーブからも一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物などの汚染物質が放出されます。たばこの煙にも有害な化学物質が含まれています。シックハウス症候群は、それらが原因で起こる症状です。

(引用:厚生労働省|シックハウス対策のページ

 

快適な室内環境を整えるために重要視されている気密性・断熱性ですが、これらの性能が高まるほど、自然には換気できなくなってしまいます。

そのため、給排をある程度コントロールできる24時間換気が必要になるのです。

 

 

結露の防止・家の長寿命化

近年、住宅の断熱性はどんどん高まっていますが、そこで問題となるのが、「結露」です。

室内の湿度が高い状態のままで、室内外に温度差があると、どうしても結露が起きて、カビやダニの発生や、ひどい場合は構造躯体の腐朽をもたらしかねません。

24時間換気システムがあれば、換気によって室内の湿気を排出でき、結露のリスクを軽減できます。

目に見える表面的な結露だけではなく、壁内の結露(内部結露)も防ぐことで、シロアリの発生も抑制できるため、家を長持ちさせるという観点からも、欠かせない設備と言っても過言ではありません。

 

 

 

「寒い?」「うるさい?」「電気代がかかる?」そんな疑問とその対策

省エネ住宅

残念ながら、24時間換気システムに対して、「寒い」「うるさい」「電気代がかかる」といったマイナスのイメージを持つ人も少なくありません。

せっかく設置したにも関わらず、電源を切ってしまう人がいるほどです。

それでは、24時間換気システムのメリットを活かしきれません。

では、それぞれそう思われる理由と対策について見てみましょう。

 

 

「24時間換気で室内は寒くならないの?」

換気口を付けるとなると、そこから入る隙間風が気になりますよね。

また、高気密高断熱住宅においては、換気によって空調効率が下がることが心配になるかもしれません。

これらを解決する一番の方法が、給気も排気も機械制御する「第一種換気」の方式を選ぶことです。

隙間風の原因となるのは、給排気グリルと呼ばれる自然換気口で、密閉度が低いため、どうしても冬場はそこから入る冷気が気になってしまいます。

第一種換気は、給気・排気共にファンを使うため、自然換気口ほど隙間風が入りません。

また、排気の際に汚れた空気と一緒に捨てていた空調熱を給気時に回収して室内に戻す「熱交換気システム」を導入すれば、換気しながらも空調効率が下がらず、真冬でも寒さがあまり気にならないはずです。

 

熱交換気の仕組み

(引用:Panasonic

 

 

「ファンの音はうるさくない?」

換気ファンが稼働する以上、どうしても機械音は聞こえてしまいます。

ただし、それを軽減する方法はあります。

まず、最初に確認すべきなのは、機器の設定です。

強弱の設定がある機種の場合は、初期設定のままになっていないかチェックしてみてください。

場合によっては、家の広さに対して過剰に換気している可能性もあります。

ただし、音がうるさいからという理由だけで換気能力を弱めてしまうと、換気不足となる可能性もあるため、必ず施工会社へ確認してもらいましょう。

設定を見直しても音が気になる場合は、フィルターを清掃したり、耐用年数(10〜15年程度)を過ぎていないか見てみましょう。

ホコリが溜まっていたり、モーターなどが劣化していたりしても、稼働音が大きくなってしまいます。

 

 

「電気代は高くないの?」

最近、どんどん電気代が値上げされているため、24時間機器を稼働し続けることに抵抗がある方も多いでしょう。

機器メーカーや換気プラン、部屋数、季節によって電気代は変動しますが、第一種換気方式でも、月々の電気代は800〜1000円程度の場合がほとんどとされています。(参考:Panasonic|24時間換気システム戸建住宅用

この金額なら、結露によってシロアリ被害などを受けてそれを補修する費用を考えると、決して損ではありませんよね。

ですから、長期間家を開ける際も、必ず電源は落とさないようにすることをおすすめします。

 

 

愛知で快適な住宅を建てたい方は国松工務店へご相談を

コンセプト

 

“国松工務店”は、名古屋市を中心に、長年「温度と空気をデザインする」をコンセプトに掲げ、省エネ性の高い住まいづくりを行なっています。

私たちの手がける住まいの特徴はずばり“3つのPASS”。

 

〈ENEPASS エネパス〉

温度を安定させる「ホールハウス断熱」と、空気を循環させる「地中熱利用型換気システム」を合わせて、家の中を快適な温度の空気で満たします。

 

 

〈SICKPASS シックパス〉

従来の壁面や天井からの排気ではなく、床面排気にすることで、ハウスダストの飛散を防ぎ、効率良く室内から取り除きます。

また、高性能フィルターを備えた地中熱利用換気システムを導入し、外気からのアレルギー物質を99%除去した清潔な空気環境と、快適な温度環境を両立。

健康的で居心地の良い住まいを実現できます。

 

 

〈YENPASS エンパス〉

高断熱性能に加えて「オール電化」を採用し、光熱費を節約できます。

大容量、高性能、長期寿命・保証のソーラー発電と蓄電池で、節約と合わせて売電利益を生むことも期待できるでしょう。

“使う電気<創る電気”を目指した住まいをご提供いたします。

 

※ソーラー関連設備は標準仕様には含まれません。

 

愛知県で省エネ住宅の建設をご検討中の方は、ぜひお気軽に“国松工務店”までご相談ください。

 

関連コラム
名古屋で高気密・高断熱の家を建てる|工務店選びポイント

 

 

 

まとめ

24時間換気システムは、設置が義務付けられているため、“とりあえず”付けるという方も少なくありません。

しかし、そのメリットを知ると、より高性能な機器を導入することの重要性がお分かりいただけるはずです。

高気密高断熱住宅においては、特に重要で、そのスペック次第では内部結露などを引き起こしかねません。

住宅の性能に見合う換気システムを導入したい場合にポイントとなるのが、「経験と知識のある工務店に相談すること」。

私たち“国松工務店”は、今まで多くの高気密高断熱住宅を手がけてきたという実績があります。

愛知県で高気密高断熱住宅建設をご検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。

 

 

 

 

愛知県でおしゃれな注文住宅を建てるなら、建築家と建てるマイホームR+houseにご相談を!

 

100名以上在籍する建築家が、お客様のご予算や好みにピッタリなマイホームをご提案いたします。

名古屋市の国松工務店が主体となり、普通の注文住宅と同じような手順・予算で建築家との家づくりをサポートします。

モデルハウス見学や勉強会を随時開催していますので、お近くの方はぜひお気軽にご活用ください。

 

監修者情報

国松工務店【R+house 名古屋西・緑・東海】編集部

国松工務店【R+house 名古屋西・緑・東海】編集部

国松工務店【R+house 名古屋西・緑・東海】では、「家族の数だけ住まい方がある」という考えのもと、施主さんの趣味や価値観、生活スタイル、将来のライフブランまでをヒアリング。未来を見据えた理想の暮らしを提案するため、建築家が土地の環境を確認したうえで設計しています。
家づくりのご相談なら、いつでもお気軽にお問い合わせください。

詳しいプロフィールはこちら
InstagramYouTube