国松工務店【R+house 名古屋西・緑・東海】編集部
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省エネ 家づくり
2023.2.10
みなさんは木造住宅についてどのようなイメージを持っていますか?
最近の木造住宅を知っている方は、「温もりがある」などのポジティブな印象を持つかもしれません。
しかし、築30年を超えるような古い木造住宅に住んでいる方は、「寒い」「暑い」とお悩みの方もいるでしょう。
そこで、今回は木造住宅が寒い・暑い理由とその対策についてお話しします。
これからマイホーム計画を始める方も、今のお住まいをリノベーションしたい方も、ぜひ参考にしてください。
コラムのポイント
■木は本来断熱性の高い建築材料であり、木造住宅が寒い・暑い場合は、断熱性や気密性に問題がある場合がほとんどです。
■新築住宅の場合もリノベーションの場合も、ポイントを抑えることで寒さ・暑さを軽減できます。
■“国松工務店”が「温度と空気のデザイン」をコンセプトに、快適な家づくりをご提案いたします。
目次
古い木造住宅に住んでいると、「底冷えするようで足元が寒い」「2階は暑くて昼間いられない」などの問題を抱えている方も多いでしょう。
そのような方は、木造住宅に対してあまりいい印象を持っていないかもしれません。
では、なぜ木造住宅は寒い・暑いのでしょうか?
それには「断熱性」と「気密性」が大きく関わります。
日本において木造住宅の歴史は古く、その施工技術は世界でもトップクラスです。
しかし、昔はあまり断熱性が重視されておらず、特に寒さ対策はあまりされてきませんでした。
しかし、省エネへの取り組みが活発化するとともに、住宅へ求められる断熱性能も高まってきています。
今まで何度も基準は改正が繰り返されており、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(通称:品確法)」で定められた断熱等級は上位等級が追加されています。
〈等級1〉 | 断熱性の関する基準なし(無断熱住宅含む) |
〈等級2〉 | 1980年に制定され、断熱性はかなり低い |
〈等級3〉 | 1992年に制定され、一定レベル(最低限)の断熱性を持つ |
〈等級4〉 | 1999年に制定され、壁、天井、窓やドアなどの開口部の断熱性も求められる |
〈等級5〉 | 2022年4月1日に追加され、「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)基準」相当の高い断熱性能を持つ |
〈等級6〉 | 2022年10月1日に追加され、暖冷房にかかる一次エネルギー消費量を約30%削減することができるレベルの断熱性を持つ |
〈等級7〉 | 2022年10月1日に追加された最上等級で、暖冷房にかかる一次エネルギー消費量を約40%削減することができるレベルの断熱性を持つ |
断熱等級の変遷を見てみると、住宅の建築時期によって求められていた断熱性能が異なることが分かります。
そのため、一般的には新しい住宅ほど断熱性能が高く、築年数の古い住宅は寒さ・暑さが気になると言っても良いでしょう。
築年数が古い住宅ほど、どうしても窓サッシや玄関ドアなどの建て付けが悪くなり、隙間が空いて気密性は落ちてしまいます。
また、昔の住宅は今ほど気密性を重視していなかったため、壁や屋根に隙間があり、そこから暖気や冷気が出入りし、内部結露を起こしてしまうケースも少なくありません。
気密性が低い住宅は、なかなかエアコンで室温を調節できなかったり、できてもそれを長時間維持することはできません。
先ほども紹介した内部結露によって、柱や土台などが湿ってしまうと、腐朽したりシロアリ被害を受けやすくなります。
すると、どんどん構造体が朽ちて、隙間が増えてしまうのです。
また、ひと昔前まで一般的であったグラスウールをはじめとした繊維系断熱材は、湿気を吸収しやすく、カビが生えるなど劣化し、最終的には水分の重さでずれ落ちてしまいます。
断熱材がずれ落ちた部分は、構造躯体の腐朽やシロアリ被害によって隙間が大きくなる可能性は否めません。
断熱材が劣化してずれ落ちて、断熱欠損してしまっている部分は、当然のことながらそこから熱が出入りしますし、結露のリスクが高まります。
昔の住宅は断熱性・気密性が低いため、「木造住宅=寒い・暑い」というイメージを人々に植え付けてしまっていますが、実は木材の特性を見てみると、高い断熱性があることが分かります。
ここでキーワードとなるのが、「熱伝導率」。
物体を移動しない状態で、高温部分から低温部分へ熱が移動する度合いを数値化したものです。
主に使われる建築材料の熱伝導率を見てみると、木材は格段に熱伝導率が低いことがお分かりいただけるでしょう。
建築材料 | 熱伝導率(W /m・K) |
・コンクリート | 1.6 |
・鋼 | 55 |
・アルミニウム | 210 |
・ガラス | 1.0 |
・石膏ボード | 0.22 |
・天然木材 | 0.12 |
・木質系合板 | 0.16 |
熱伝導率が低いということは、「熱を通しにくい」、つまり熱しにくく冷めにくいということです。
その理由は、木材の細胞構成にあります。
木は小さい細胞の集合体であり、それぞれの細胞内には熱の移動を妨げる空気が含まれているからです。
実際に、コンクリートとビニールタイルとで温度の伝わり方を比較してみると、木材は人に伝わる温度変化が小さいことが分かります。
(引用:和歌山県)
つまり、木材そのものは高い断熱性能を持っており、それを正しく活用すれば、木造でも「寒くない・暑くない住宅」が実現できるということです。
では、新築住宅を建てる際にはどのような対策をとれば良いのでしょうか?
ここでは主な方法を3つ紹介します。
最近、様々な住宅メーカーがコンセプトに掲げている「高気密高断熱住宅」ですが、具体的には以下のポイントを重視した住宅を指します。
壁内や小屋裏、床下、基礎に断熱材を入れることはもちろん、開口部からの熱移動を防ぐための高断熱サッシ・ドアを採用し、さらに給排気時の熱損失を軽減できる換気システムが搭載されます。
また、構造体の隙間を気密フィルムや防湿フィルムでしっかりと塞ぐなどの、内部結露対策も欠かせません。
このように断熱性・気密性を高めることは省エネにもつながり、太陽光発電システムを導入した際の熱回収率も高いため、年々施工実績は増えています。
家全体の断熱性・気密性を高めても、やはりどうしてもエアコンなどの空気環境に頼らざるを得ません。
ただし、最近はできる限り自然エネルギーを活用し、空調使用率を下げる省エネ住宅が増えています。
太陽が低く寒い冬には日差しを室内に取り入れて温め、太陽が高く暑い夏には室内に篭った熱気を外へ排出するような窓計画を取り入れることで、電気に頼らず室温を快適に調整できるのです。
この考えを取り入れた設計手法をパッシブデザイン(パッシブハウス)といい、日本でも施工事例が増えています。
住宅の断熱性・気密性を高めると問題になるのが、「換気不足」です。
2003年からは全ての新築住宅へ24時間換気の導入が義務化されていますが、換気方式によっては換気量が不十分であったり、外気の冷気・暖気がそのまま室内に入り込んで空調効率を下げてしまう場合もあります。
そこでおすすめなのが、熱交換気システムなどの高性能換気システムの導入です。
(引用:Panasonic)
熱交換気システムとは、排気する際に熱を回収し、外気を給気する際に戻して室温に近い状態にしてから室内に送り込む仕組みです。
空調負荷を軽減できるだけではなく、給気口からひやっとする空気が入ってくる不快感も抑えられます。
高性能換気システムなら、窓を開けなくてもきれいで新鮮な空気を室内に送り込んでくれます。
築年数の古い住宅は、どうしても元から備わっている断熱性・気密性が低く、寒さや暑さが気になります。
しかし、「うちは古いから」と諦めてはいけません。
リフォーム・リノベーションでも寒さや暑さを軽減する方法はあります。
室内から室外への熱損失は、多くが窓からによるものです。
(引用:一般財団法人 日本建材・住宅設備産業協会)
そのため、まずは窓回りの断熱性・気密性を見直すことで、寒さや暑さが大きく改善されます。
古いサッシのほとんどが熱伝導率の高いアルミ製なので、まずは断熱性の高い樹脂製や木製に変えてみましょう。
また、ガラスも単板ガラスから2枚のガラスの間に空気層のある複層ガラスに変えると、窓辺の温度が大きく変わります。
(引用:YKK ap)
玄関も熱の出入りが激しい場所です。
そこでおすすめなのが、断熱ドアへの取り替えです。
ドア内部に断熱材が入れられているだけではなく、高い気密性のあるドア枠が用いられています。
(引用:三協立山アルミ)
ただし、玄関ドアを取り替える際には周りの壁や土間を解体しなくてはいけません。
できるだけ低コストかつ短期間でドアの取り替えをしたい場合には、「カバー工法」という既存ドア枠の上から新規ドア枠を被せる工法もおすすめです。
ただし、有効開口が狭くなってしまうため、既に間口が小さいドアには適しません。
最も手軽に窓の断熱性能を高める方法が、インナーサッシ(内窓)の設置です。
壁などを壊すことなく既存窓の手前にもう一つサッシを取り付けます。
二つのサッシの間が大きな空気層となって、断熱効果を高めてくれます。
ただし、窓を開ける場合はサッシを二度動かさなくてはいけないため、頻繁に開閉する場所にはあまりおすすめできません。
壁内・床下・小屋裏などの外皮へ断熱材を追加することで、家全体の断熱性を高められます。
ただし、少しでも隙間があるとそこから熱の出入りが集中し、局部的に内部結露を起こしてしまう可能性があります。
そのため、 これらの断熱工事をする際には、実績の豊富な施工会社へ相談しましょう。
外壁の外側から仕上げ材を剥がし、断熱材を敷き込む方法があります。
こちらは、室内側からの作業がないため、住みながらでもストレスなく改修できる点がメリットです。
また、断熱材を敷き込む際に、ちょっとした隙間がないか確認できるため、気密性も高まります。
ただし、どうしても外壁が分厚くなるため、土地にゆとりがない場合や、複雑な形状の住宅の場合はあまり適しません。
検討する際にはは、まず専門家へ現地を確認してもらいましょう。
外壁や屋根などの隙間を気密フィルムなどで全て塞ぐ作業です。
断熱工事と併せて行えば、高い効果が得られます。
ただし、天井・床・壁を広範囲で解体して中を確認しなくてはいけないため、大掛かりな工事となってしまう点は否定できません。
そのため、多くの場合はフルリノベーション・スケルトンリノベーションと同時に行います。
新築住宅には義務化されている24時間換気の設置ですが、既存住宅は義務化の対象外です。
そのため、古い住宅にはついていない場合も少なくありません。
家の断熱性・気密性を見直す際には、ぜひ併せて換気システムの導入も検討しましょう。
“国松工務店”は、名古屋市を中心に、長年「温度と空気をデザインする」をコンセプトに掲げ、省エネ性の高い住まいづくりを行なっています。
私たちの手がける住まいの特徴はずばり“3つのPASS”。
〈ENEPASS エネパス〉
温度を安定させる「ホールハウス断熱」と、空気を循環させる「地中熱利用型換気システム」を合わせて、家の中を快適な温度の空気で満たします。
〈SICKPASS シックパス〉
従来の壁面や天井からの排気ではなく、床面排気にすることで、ハウスダストの飛散を防ぎ、効率良く室内から取り除きます。
また、高性能フィルターを備えた地中熱利用換気システムを導入し、外気からのアレルギー物質を99%除去した清潔な空気環境と、快適な温度環境を両立。
健康的で居心地の良い住まいを実現できます。
〈YENPASS エンパス〉
高断熱性能に加えて「オール電化」を採用し、光熱費を節約できます。
大容量、高性能、長期寿命・保証のソーラー発電と蓄電池で、節約と合わせて売電利益を生むことも期待できるでしょう。
“使う電気<創る電気”を目指した住まいをご提供いたします。
※ソーラー関連設備は標準仕様には含まれません。
愛知県で省エネ住宅の建設をご検討中の方は、ぜひお気軽に“国松工務店”までご相談ください。
「木造の家は寒い・暑い」これは、あくまでも古い住宅や劣化が進んでいる住宅に限ります。
むしろ、木材は熱が伝わりにくい特性があるため、断熱住宅には適しているのです。
寒さや暑さから室内環境を守るためには、新築住宅を建てる際もリノベーションをする際もポイントを押さえなくてはいけません。
「うちの場合は何をすればいいの?」と疑問に感じる方は、経験と知識が豊富な工務店へ相談しましょう。
私たち“国松工務店”は、今まで多くの省エネ住宅を手がけてきたという実績があります。
愛知県で省エネ・高気密高断熱住宅建設をご検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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